副業やフリーランスの盛り上がりとともに、企業も「在宅ワーク」などの新しい勤務形態に寛容になってきていますね。その流れもあってか、「仕事と生活の調和」を意味するワークライフバランスも実現しやすい世の中になってきたように感じます。
何を隠そう「考える人-フジタ」も週に3日程度在宅ワークをしています。なのでワークライフバランスは実現しやすい環境です。
ワークライフバランスの実現って具体的にどういう状態なの?
企業等でも取り組みはされているけど、個人の体感でいうと具体的なゴールって人それぞれですよね。
今回はワークライフバランスに関して考えてみましょう。
ワークライフバランスとは?
「ワークライフバランス」って10年近く前からあるカッコいい響きの言葉なので、いろんなところで、いろんな人が使ってますね。ほとんどの人が聞いたことあると思います。
ワークライフバランス:「生活」と「仕事」の調和
国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ワーク・ライフ・バランス
「生活」と「仕事」の調和ってなにかって、仕事も大事だけど、生活も充実させて、どちらもバランスよく生きていこうねって意味。
会社ごとに具体的な施策として、労働時間の短縮やプライベートを充実させる福利厚生を導入して従業員のモチベーションにつなげていますね。
ワークライフバランスは現役の労働者だけに言える言葉ではなくて、超高齢社会の日本では、定年退職した後に燃え尽き症候群のような状態になる人が多いので、退職前にセミナーをする会社もあります。
みたいに。
最近では働き方改革もあって、大企業を中心に勤務(残業)時間に上限を設ける会社が増えてきたので、人によってはプライベートの時間を充実させることができる環境が整ってきているのではないでしょうか。
ワークライフバランスは実現しているの?
ワークライフバランスは、仕事の割合が生活と比較して高くなってしまっている現状を改善するために生まれた言葉です。
仕事だけでなくて、健康で豊かな生活を実現できるようにしましょう。それがゆくゆくは少子化だったりの社会問題を解決する一助になるということも狙って、国が推進しています。
ただし、「実現しているのか?」というと話は変わってきます。
いろいろな企業が従業員のワークライフバランスの実現に向けて取り組みをしていますが、取り組みに対して「仕事と生活のバランスの改善に至っていない」と否定的な統計が多く出ているのも事実。
少子化に歯止めがかからないのも、ある意味、国全体がワークライフバランスを実現できていないっていう証拠かもしれません。
まあ、国や企業単位でのワークライフバランス実現の判断は、統計的に指標があるかもしれませんし、各団体が決めることなので置いておきましょう。
ワークライフバランスの実現って可能なのか?
そもそも「ワークライフバランス実現」は個人で体感できるようなことなんでしょうか?
バランスとは何のバランスのことなんでしょう。労働時間と生活時間?わかりやすい時間で考えて、1日のうち睡眠等(約8時間)を抜いて、プライベートの時間:8時間 仕事の時間:8時間 になったらバランス取れましたって判断していいものですかね?
…..
きっと違いますよね。
もっと抽象的な気がします。ワークライフバランスの憲章から、ワークライフバランスを実現した状態を想像すると、
「心身的に健康な状態で、経済的に困らない状態で仕事ができて、なおかつ、家族をはじめとして人間関係も良好で趣味や自分の未来への投資ができている状態」
こんな理想な状態になって初めて、ワークライフバランスを実現できたと言えるのでしょう。
ワークライフバランスはフワッと目指すもの
ワークライフバランスを否定をするわけではありませんが、上記のように考えると、ワークライフバランスは実現するものというよりも、生きる上での一つの指針のような気がします。
だって個人の考え方や目標に左右されるので、国民全員が実現するというのは無理ゲーです。
なので、「ワークライフバランスの実現に向けて、国、地方自治体、企業、そして各個人が頑張っていきましょうね。」的なフワッとした感じで目指すことがいいんじゃないですか。
ワークライフバランスっておかしくないですか?
ワークライフバランスって「ライフ(生活)≒ワーク(仕事)」という関係が成り立っていることが前提。もしくはその二つが相入れないもののような印象を与えている感じが否めません。
「生活」と「仕事」って相入れぬものな?
「ワーク(仕事)」は「ライフ(生活)」の中にあるものでは?
「ライフ≒ワーク」はそもそも違うような気がしませんか。
仕事は生活の中に入り込んでいるもののはずです。人によっては仕事を生き甲斐にしている人もいますし、趣味ややりたいことか仕事に転じたりとする事例が増えてきています。
仕事を生活の対と見てしまうと、こうした人たちをそもそも否定してしまうのです。
そして、そうなるとこれまでの話も変わってきます。
ワークライフインテグレーション
個人事業や在宅ワークをしていると、仕事は生活に溶け込んでいるし、逆に区切りがない時が多いです。
メールや電話で仕事の連絡が入れば対応するし、仕事をしようと思えばいくらでもできてしまう。
となるとやはり気になるのが、そもそも「ワーク(仕事)」って「ライフ(生活)」から切り離されているものなの?……
企業に勤めている人は、勤務時間外に仕事をしたことはないだろうか?
副業を3人に1人がしていると言われるこの時代に。
働き方が変わっていくと同時に、ワークライフバランスは仕事と生活のバランスを取るというよりも、「ワーク(仕事)」と「ライフ(生活)」を分けずに一緒に考える必要がでてきます。
「ワーク(仕事)」は「ライフ(生活)」をたった一部分にすぎないし、逆を言えば「ワーク(仕事)」も「ライフ(生活)」を充実させるために欠かせない要素だということ。
そうすれば、今、仕事しか見えていない人も、仕事が充実しているのなら生活が充実していることになりますし、それでいいと思います。
私がそうですが、仕事がうまく言っていない時は、生活に影響するってこともあります。個人で仕事をしている場合はより影響が出やすいと思います。
ちなみに、そういった生活と仕事を切り離さず相互作用していることを指す言葉は既にあります。
ワークライフインテグレーション
仕事と生活を別々にとらえず、生活の一部として捉えること。 仕事と生活が相互に作用しあい、生産性や生活全体に影響していくということ。
まとめ
・ワークライフバランスとは、仕事だけでなく生活においても多様な選択肢と充実を目指す生き方。
・国の働き方改革を始め、企業の残業時間削減などがワークライフバランスに繋がる取り組みではあるが、個人としてワークライフバランスの実現するのは難しい。
・ワークインテグレーションのように仕事と生活を別々に捉えるのではなく、仕事と生活の境をなくして考えてみることも必要なのでは?
私は趣味の延長線上で一緒に楽しめる仲間を見つけるために会員制社会人コミュニティを始めましたが、会員数が500名を超えたあたりから、仕事としての側面が強くなり、運営上の責任感からモチベーションが下がってしまった経験があります。さらに趣味(生活)の充実を目指したことで、結果、仕事の時間も圧迫してしまいました。そういったケースは「ワーク(仕事)」と「ライフ(生活)」を切り離して考えると説明がしづらい例です。
今後、仕事の時間が減れば減るほど、余暇時間が増えてきます。そうなるとさらに趣味ややりたいことから仕事につなげていく人が増えていくでしょう。そうなると、いよいよワークとライフを分ける境は曖昧になっていきそうですね。
以上、What do you think about…?